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海外と日本では金のチャートの動きが違う!?

海外と日本では、同じ金の価格でもチャートの動きが違います。その理由は、ドル円相場と国際金価格の双方によって国内金価格が決定づけられることにあり、情勢の変動によって変化の仕方が変わることが原因です。今回は海外と日本の金のチャートがどのように違うのか、その変化はなぜ起こるのかを具体例をまじえてご紹介いたします。


【目次】

日本の金価格は「国際金価格」と「ドル円相場」に基づいて決められる

国際金価格と国内金価格のチャート変動の傾向

 ・1.急激な上昇・下降には逆相関の動きが見られる

 ・2.国際的な経済危機では国際金価格が上昇、国内金価格は緩やかに追従

国内・海外の金価格チャートに影響を与える要因

 ・①地政学的観点から見たリスク

 ・②インドと中国の経済成長

 ・③「有事」で揺らぐ金価格


日本の金価格は「国際金価格」と「ドル円相場」に基づいて決められる

日本の金価格は、国際金価格とドル円相場に基づいて設定されます。

国際金価格とは、1トロイオンス(約31.1035グラム)当たりの価格を米ドル建てで表示したもの。ドル建てである理由は、米ドルが世界の基軸通貨であるためです。この国際金価格を1グラムあたりの円建てに換算したものが国内金価格になり、計算式は以下で表すことができます。


国際金価格÷31.1035×ドル/円レート=国内金価格(円)


ここからも分かる通り、国内金価格はドル円の為替レートの影響を受けて変動していきます。円高ドル安の場合は国内金価格が下がり、円安ドル高の場合は国内金価格が上がるという関係です。

金は世界中のマーケットで取引されており、価格も常に変動しています。さらに為替の影響も受けるため、日本で金投資する場合は国際金価格とドル円の為替レートを注視しなければいけません。


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国際金価格と国内金価格のチャート変動の傾向

国内外の金価格の推移は、1994年から2015年までのあいだ、大局的な変動には相関性があるように見えますが、短期間に区切った際には特徴的な違いを見出すことができます。


1.急激な上昇・下降には逆相関の動きが見られる

前述した通り、国内金価格は国際金価格の変動を受けて追従するような形で上昇・下降をするのが一般的でしたが、2005年以降、数ヶ月単位で反対の動きをするケースが増えました。

たとえば、2012年から2013年のあいだは逆相関の形でチャートが急激に動き、円建て急上昇とドル建て下落が同時に起こりました。また、2015年から2016年のあいだはドル建ての急上昇とともに円建ての急落があります。

いずれも「急激な動き」であることがポイントです。この背景には金取引のグローバル化と為替感応度の変化があると考えられ、為替と対応したドル/円それぞれの金価格変動が起こった場合、それぞれが逆相関であれば、そのまま反応が金価格チャートにあらわれる傾向があります。


2.国際的な経済危機では国際金価格が上昇、国内金価格は緩やかに追従

もうひとつの変動の特徴として、2008年から2012年のドル安/円高のゆるやかなトレンドが続いた期間、国際金価格は国内金価格に差をつける形で上昇し続けました。

この理由には2008年のリーマンショックに続き、ギリシャショックなど世界経済の恐慌があり、資産として金のニーズが高まっていたことが考えられます。2011年9月の国際金価格は、1923.7ドル(史上最高値)を記録しました。

さらに、円はリーマンショックの当時、不良債権もなく国際的な観点で相対的にみたとき、安全資産であったことから、円高の傾向が高まっていました。その結果、国内金価格は同値でのチャート変動をせず、国際金価格と差のある形で追従のチャートを描いています。


これら2点の近年の傾向から、国際金価格と国内金価格の変動は決して同値ではなく、特に グローバル化が進んだ昨今は、為替変動の影響と密接に相関するといえるでしょう。

2004年ETFの登場以降、投資家にとってポピュラーな商品として認識されている金は、今後ますます細かな変動を繰り返すことが予想されます。その変動パターンを予測するためには、影響を与えうる国際的リスクへの知見が必要です。


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国内・海外の金価格チャートに影響を与える要因

①地政学的観点から見たリスク

第一に挙げられるのは、国際的な政治情勢がもたらす混乱です。紛争やテロ、核実験など、世界の特定地域の政治的、軍事的な緊張が高まると、世界経済の先行きが不透明になります。こうした地政学的リスクが高まると、原油価格が高騰するなどして、経済全体の市況に影響をもたらします。また、地政学的リスクによる影響を減らそうという投資家心理が働きますので、先に挙げたように安全通貨とされる円や安全資産とされる金の需要が高まることになります。こうしたことから地政学的リスクは金価格チャートにも大きく影響を及ぼします。


②インドと中国の経済成長

数年前より存在感を増しているインドや中国の経済成長は、金価格の高騰をもたらす要因のひとつです。金消費量のランキング(2008年)では中国とインドがトップに並んでおり、両国とも金投資を好むといった国民性や国を挙げて金準備高を高めているといった側面もあり、中国とインドと金価格の相場の関連性は切っても切れないものとなっているのです。


③「有事」で揺らぐ金価格

投資家は常に、より繊細な動きを求められています。米国の動向の変化や、中国をはじめとしたアジアの急成長など、時代は大きく変わろうとしており、その分岐点として「有事」が想定されています。

こうした緊迫した情勢において、金は「有事の際に変動の激しい株に対するリスクヘッジ」として機能するとともに、「有事に価格が高騰する可能性のある金融商品」としての価値も合わせ持っています。


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