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金・銀・プラチナ・パラジウムなど「貴金属の特徴と価値について」

希少価値があり、腐食に強い貴金属。貴金属というジャンルは同じでも、その色や性質は異なります。また、古くから大切にされてきた貴金属もあれば、昔は厄介者扱いをされていた貴金属も存在します。今回は、貴金属全般の性質について知るとともに、金、銀、プラチナ、パラジウムの特徴や歴史を確認していきましょう。

【目次】

貴金属とは「金・銀と白金族」のこと

 ・化学的にみた貴金属は8種類

 ・貴金属は腐食に強い特徴を持つ金属

金・銀・プラチナ・パラジウムの特徴比較

 ・【古い時代の金VSプラチナ】厄介者だったプラチナ

 ・【18世紀以降のプラチナVS銀VS金】カルティエが広めたプラチナの魅力

 ・【パラジウムVSプラチナ】値段が高いのはどちら?

まとめ


貴金属とは「金・銀と白金族」のこと

化学的にみた貴金属は8種類

貴金属というと、金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)を思い浮かべる方が多いでしょう。もちろんこの3つは貴金属ですが、実はこれだけではありません。

貴金属は、化学的には金と銀、そして白金族(プラチナ(Pt) 、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir))を加えた8種類の金属と定義されています。

貴金属は腐食に強い特徴を持つ金属

貴金属は希少価値のあるものが多く、腐食に強いという大きな特徴を持っています。そのため、美しさや資産価値を長く保ちたいジュエリーには欠かすことができません。

金、銀、プラチナは、そのものの色合いや美しさが愛されている貴金属です。加えて、近年注目を浴びているのが、パラジウムです。これらの貴金属は宝石をしっかりと保護してくれますし、美しさを引き立てるうえでも重要な役割を果たしています。

また、プラチナ以外の白金族は割り金(イリジウム、ルテニウム、パラジウム)やメッキ(ロジウム)として使用されています。

さらに詳しく知りたい方はこちら→金の種類ってどれくらいある?それぞれの金の価値や買取価格と

金・銀・プラチナ・パラジウムの特徴比較

代表的な貴金属である金、銀、プラチナ、パラジウム。それぞれの特徴を比べてみましょう。

【古い時代の金VSプラチナ】厄介者だったプラチナ

「貴金属の王」と称されることもあるプラチナは、古代エジプトやインカ帝国でも使用されており、金とともに長い歴史を持つ金属です。しかし、プラチナは長い間「厄介な金属」として敬遠されてきました。その理由は扱いにくさにあります。

金属を加工するには一度溶かさなければなりません。しかし、プラチナは金や鉄に比べとても融点が高く、溶かしにくい金属です。さらに薬品にも強く、変質しにくいという特性も併せ持っています。

技術が未熟な時代、加工が難しいプラチナは、価値の低い金属として扱われていました。これに対して、金はその輝きと加工の安易さから、古くから多くの地域で価値ある金属とされてきたわけです。

【18世紀以降のプラチナVS銀VS金】カルティエが広めたプラチナの魅力

銀は、古代エジプトや古代インドにおいて、金よりも価値の高い金属でした。また、古代から中世にかけては銀の採取方法が確立しておらず、不足気味の状態が続いていました。

白い輝きが美しい銀は、加工しやすく錆びにくい特徴を持っています。中世ヨーロッパの支配階級も銀食器を使用していました。銀は毒に触れると黒くなるため、毒味役もはたしていたのです。

しかし18世紀になり、精錬や加工の技術が進むとともに、プラチナの評価が変わりはじめます。特に大きかったのは、1900年代に宝石商のルイ・カルティエが、プラチナの時計や宝飾品を発売したことです。カルティエの商品は大人気となり、プラチナのイメージはすっかり変わりました。

カルティエが宝飾品にプラチナを使用するまで、白っぽい貴金属の代表はシルバーでした。ただ、シルバーは保管や手入れを怠ると、すぐに黒ずんで変色してしまいます。これに対しプラチナは変質しにくいという特性から、白い輝きが劣化しにくく、その価値を高めていったのでした。

さらに詳しく知りたい方はこちら→プラチナの種類(純度)について理解を深めよう

【パラジウムVSプラチナ】値段が高いのはどちら?

プラチナ族に属するパラジウムは、プラチナと同じ白色の金属です。

近年、パラジウムジュエリーを見かけるようになりました。しかし、パラジウムには短所も多く、流通しないといった現状があります。その理由として「プラチナよりも金属アレルギーを起こしやすい」「固いため、サイズ直しができない」「現在、素材自体低価格とは言えない」といった点が挙げられます。

また、金銀パラジウム合金は、現在日本の歯科業界において銀歯に使用されています。しかし、身体に悪い影響を与えるとして使用を禁止している国もあり、今後も流通が広がるとは言いにくいでしょう。

パラジウムは、プラチナに比べかなり安い時期が長く続き、価格の優位性も主張されていました。しかし、1999年末から2001年年央にかけて、初めてパラジウムがプラチナの価格を上回る事態が起きています。ただし、この現象は長く続かず、パラジウムの価格は再度低位推移を続けることになりました。しかし、2017年9月には、再度プラチナとパラジウムの価格が逆転しています。相場により価格はもちろん変化しますが、パラジウムの高値が続くという見方もあります。少なくとも現在は、「パラジウムは安価」と一概にはいえないということは知っておきましょう。

まとめ

古代から現在まで、貴金属として価値を認められ続けている、金や銀。溶解技術の発達により、その価値を認められたプラチナ。近年にはプラチナと同等、もしくはそれ以上の価値があるとされているパラジウム。他の貴金属と対比することにより、それぞれの特徴をさらに深く理解することができるでしょう。
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