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人類と金の関係・歴史⑤リーマン・ショックと金の関係とは?

2008年、アメリカで起きたリーマン・ショックの影響により、日本の株価は9月12日の終値12,214円から10月28日に一時6,000円台まで下落するなど、大きな打撃を受けました。同じ時期に金も売られ、金相場も一時大きく値を下げています。なぜ、リーマン・ショックで金は売られたのでしょうか?

【目次】

リーマン・ショックとはどのような出来事だったのか?

 ・連鎖的に起こった世界的金融危機

リーマン・ショックが起きた原因とは?

 ・サブプライム・ローンの破綻

世界的金融危機によって世界の経済はどうなったのか?

 ・世界中の株価が大暴落

リーマン・ショックでなぜ金が売られたのか?

 ・リーマン・ショック前後の金相場

まとめ


リーマン・ショックとはどのような出来事だったのか?

連鎖的に起こった世界的金融危機

2008年9月15日、当時アメリカ第4位の投資銀行であったリーマン・ブラザーズは、事実上の破産を申請しました。リーマン・ブラザーズが抱えた負債総額は約6,000億ドル(約64兆円)です。同社が発行している社債や投信を持っている企業への影響、取引先企業への連鎖、アメリカ政府の対応の遅れから世界的な金融危機へと連鎖していきました。

リーマン・ブラザーズが破綻すれば世界経済に多大な損失を生み出すことは容易に予測されていたため、アメリカ政府が主導となりバンク・オブ・アメリカやメリルリンチといった金融機関と売却の交渉が行われていました。しかし、アメリカ政府が公的資金の投入を拒否したことから、交渉は決裂に終わり、最終的にリーマン・ショックが起こったのです。

リーマン・ショックが起きた原因とは?

サブプライム・ローンの破綻

リーマン・ショックの発生とサブプライム・ローンの破綻には密接な関係があります。サブプライム・ローンは、アメリカの中流階級向けの住宅ローンです。しかし、高利にもかかわらずほぼ無審査であること、返済能力を超える金額の貸し付けが行われているなどの問題点も少なくありませんでした。

つまり、貸し手は返済不能に陥ることを前提に、担保としている住宅を売却することで債権を回収しようとしていたというわけです。

サブプライム・ローンにより、アメリカでは住宅バブルと呼ばれる状況が生まれました。しかし、やがてローンの返済が出来なくなった人たちは、住宅を担保に取られます。担保に取られた住宅が売却されるにつれ、住宅価格も下落しました。サブプライム・ローンは証券化されていたこともあり、結果的に多額の不良債権を生み、リーマン・ショックへと波及していったのです。

世界的金融危機によって世界の経済はどうなったのか?

世界中の株価が大暴落

リーマン・ショックにより、世界の経済は大きな打撃を受けました。アメリカのダウ平均株価はリーマン・ブラザーズが崩壊した2008年9月15日に11,421.99ドルから10,917.51ドルに急落、その後2009年3月9日に6,547.05ドルになるまで株価の下落は続きました。

日本でも行き場を失った投機資金が流入したことによる超円高が株安を引き起こす事態が起きています。2008年10月28日には、バブル崩壊後では最安値となる日経平均株価6,994.40円を付けるなど、リーマン・ショックの影響は避けられませんでした。

実体経済への影響も大きく、アメリカでは5%台だった失業率が2009年10月には10%台に、経済成長の指標となるGDPの成長率も前期比で-6.3%を記録するなど、景気後退が明確になりました。ヨーロッパでも、この時期に欧州債務問題やギリシャの破綻危機が起きましたが、元を辿ればリーマン・ショックが原因とされています。

リーマン・ショックでなぜ金が売られたのか?

リーマン・ショック前後の金相場

また、リーマン・ショックは金相場にも大きな影響を与えました。2008年8月29日には1オンスあたり833ドルだった金価格も、リーマン・ブラザーズが倒産した9月15日には775ドルにまで急落しています。これは、金融危機への危惧から現金を確保するために一時的に金を売ったという見方が一般的です。

そして、2週間後の9月30日には885ドルと、リーマン・ショックの発生直後よりむしろ値を上げました。さらに、その年の12月31日時点でも865ドルと安定して高い価格を維持しています。「有事の金」という格言がありますが、世界中で金融危機が進行している中で金が買われるというのは、金が持つ投資対象・金融商品としての強みといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、世界中を金融恐慌へと導いたリーマン・ショックを紹介しました。サブプライム・ローンという破綻を前提とした住宅ローンが、やがてリーマン・ブラザーズという巨大な組織を倒産に追い込んだというリーマン・ショックは、歴史にその名を起こす大きな出来事でした。投資に興味がある方なら必ず知っておきたい教訓ですね。

リーマン・ショックのような事例が起こると、株などの金融商品は激しく値下がりします。一方、金は最終的に価格が上昇していることからも、金がどれほど安全な資産であるかということを証明するような例と言えるでしょう。
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