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金レートの推移を10年間で見ていこう


金のレートは、投資運用において注目したい値動きの1つです。しかし、いつ金に投資すべきかを見極めることは難しく、興味はあるけれど踏み切れないという方は多くいます。プロでもなかなか読めない金のレートを、初心者が読み解いていくことは容易ではありません。

しかし、経験や知識も必要ですが、まず全体を理解することが重要です。各年代でどのように金のレートが動いたかを知り、今後の値動きの方向性を考えていきましょう。


目次[非表示]

  1. 1.1970年代の金レートをチェック
  2. 2.1980年代の金レートをチェック
  3. 3.1990年代の金レートをチェック
  4. 4.2000年代の金レートをチェック
  5. 5.2010年代の金レートをチェック
  6. 6.まとめ


1970年代の金レートをチェック

1970年代は、日本の戦後復興の足場固めが済んだ時期であり、現代の生活の雛型が作られました。

金のレートの最安値は、1970年の690円/グラムで、この頃はまだ固定相場でした。

ただし、この時期の日本国民は全体的に貧しく、物価としても現代に比べて安いので、現在の貨幣の価値に換算すると、庶民が購入することは難しい金額でした。

投資をするには、証券会社や商社の窓口で担当者に相談するしかなく、口座開設には一定以上の資産と信用が求められたので、実際に金に投資していたのは一部の資産家だけにとどまっていたのが実情です。


穏やかであった1970年が過ぎると、アメリカと欧州の方向転換によって金のレートは変動相場に移行します。

1973年ぐらいから急激に値上がりした金は、オイルの産地である中東の戦争によって引き起こされたオイルショックで、1979年に最高値3,985円/グラムを記録しました。

オイルショックによって、日本国内で生活必需品すら不足する事態に陥り、いかに戦争によって世界経済が揺れ動くのかがよくわかる時期です。

この年代は、スタートから金のレートが右肩上がりで上昇していったのが特徴で、終わりには高値でようやく落ち着いてきたという流れになっています。


1980年代の金レートをチェック

東西冷戦による代理戦争が激化した1970年代の反省からか、1980年代の中盤に入るとアメリカと旧ソ連は軍縮による歩み寄りを始めました。

しかし、世界にオイルを供給している中東の火種はなくならず、第二次オイルショックと旧ソ連のアフガニスタン侵攻が重なったことで、1980年には金のレートが6,495円/グラムという最高値に達しました。

注意点は、史実に対して金のレートが反応するのに多少のタイムラグがあったことで、1980年代の最高値になる前に金を購入しておくことは十分に可能でした。

「有事の金」と周知されているのは、この年代の印象が強かったことが主な原因です。

1985年から旧ソ連の民主化が進み、同時に日本のバブル景気とその破綻につながるプラザ合意といった、歴史的に重要なイベントが続いた年代でもあります。


現在では生活に必要不可欠となったインターネットが登場したのも、この1980年代です。ただし、まだ誰もが気軽に接続できるわけではなく、低速の回線でWEBサイトを閲覧する環境でした。

金のレートとしては史上最高値からゆっくりと下降していき、1989年の最安値1,568円/グラムで幕を閉じました。

この年代だけで見ると暴落したという印象ですが、世界中の株式が大暴落した1987年のブラックマンデーをはさんでおり、それに対して金のレートは堅調でした。

最安値で比較しても、前の年代とほぼ遜色がなく、一部の資産を金に換えておくことの有用性を理解できる年代といえます。


1990年代の金レートをチェック

世界を緊張させた東西冷戦はようやく終結して、その代わりに世界各地で民族独立の気運が高まりました。

金のレートとしてはかなり値動きが少ない時期でしたが、1990年の最高値2,008円/グラムと1999年の最安値917円/グラムを比較すると、全体的に値下がりし続けたことを読み取れます。

欧州連合であるEUがスタートする一方で、局地的に泥沼の戦争や挑発行動が頻発していました。

もっとも、オイルの供給源でも世界的に重要な経済エリアでもない局地戦は大きな障害にはならず、日本を含めた先進国にとってはそれぞれの方向性を熟考する時間になりました。


この時代の特徴は、先進国でのパソコンとインターネットの普及です。

携帯電話も登場して、担当者がいない状態で投資運用をするという現代へとつながる道ができました。

先見の明がある投資家は、今後の10年間がどうなるのかをよく考えて、インターネット関連のベンチャー企業に投資するなどの意欲的な行動で布石を打っていた時代です。

株式の大暴落が終わったことで、むしろ安値で優良銘柄を購入するチャンスができました。金のレートは、世界大戦の恐れがほぼゼロになったことから値下がりを続け、その代役のごとく有価証券が全体的に値上がりをしていった構図です。

定期的に金を買っていた場合は、この10年間でかなり安く購入できたという結果を得られました。

終わりが一番安かったのは結果論であり、無理なくコツコツと買い続けることで購入単価を下げられるメリットを活かす大切さを表しています。


2000年代の金レートをチェック

日本国内が盛り上がっていたバブル景気が完全になくなった2000年代は、個人が小型の携帯電話を持ち歩くという技術革新が行われる反面、アメリカの同時多発テロとその報復によって、世界が再び緊迫してきた時期です。

国同士の戦争から一転して、テロによる無差別の攻撃が脅威となったのが他の年代と大きく違う点で、2000年の最安値961円/グラムから値上がりしていき、2009年の最高値3,475円/グラムで終わりました。


後から見れば単純な値上がり相場といえるものの、金のレートが安い時に仕込むには相応の余剰資金と長いスパンで判断できる判断力が求められます。

世界経済としては、アメリカ発のサブプライムローン問題による不況が深刻で、有価証券への信頼が揺らいだことも金のレートが上昇した要因の1つです。

インターネットが生活の一部になったことで、セキュリティに関する意識が高まった時期でもあります。

動画によって世界中の人間がコンテンツを共有する新たなライフスタイルが始まり、金を扱っている金融機関や商社は、オンライン取引を提供するためにこぞって大規模な設備を導入しました。

オンラインで口座を開設して、担当者が不在のまま個人で取引ができるシステムのおかげで、投資運用は大きく様変わりしました。

金への投資は、もはや普通の選択肢の1つで、富裕層にだけ許された特権ではなくなったのです。個人でもプロとほぼ同等のチャートや投資情報を閲覧できて、いつでも売買できる環境によって、金は身近なものとなりました。



2010年代の金レートをチェック

大きな戦争が過去のものになった2010年代は、普遍的な価値がある金をストックしておきたい各国の思惑で相場が動いています。

最安値は2010年の3,096円/グラムで、特に大規模な闘争がないにもかかわらず、2013年に5,084円/グラムの最高値をつけて、そのまま高値で推移しているのが現状です。

中国などの新たな経済大国が進出してきた影響で、外交やビジネスを有利に進めるために、経済の根幹となっている金を買い占める流れが生まれています。

金のレートは需要と供給で決まるため、過去の最高値を大きく超えて値上がりしていく可能性もあります。


金への投資は、数ある投資運用の1つで、これからの戦争や経済的な変動に備えたリスクヘッジです。

業者の金庫に預けたままにするのか、それとも、自宅の金庫で保管するのかで意味合いが多少変わってきますが、いずれにせよ全ての資産を日本円の現金で保有するリスクを減らせます。過去の金レートを見ると高値と思えますが、金の需要が高まっているので、より高値へと飛躍する可能性も考慮しておくことが重要です。


まとめ

金のレートは時代と共に移り変わり、現在も変化を続けています。

国内の鉱山は減少しているため、金の価値は今後も上がっていくでしょう。

毎月同じ金額で少しずつ積み立てていくスタイルなら、どんな未来になっても確実に純金を増やして自分の将来を構築することが可能です。

金は有価証券と違って、流通量が限られている貴金属で、原則的に無価値になることはありません。

暴落するまで待ってから投資するのも良いのですが、買いやすい押し目を作らずに上のステージへ進んでしまう値動きもあることを覚えておきましょう。



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